貴学にてIdPをインストールする場合の構築手順
貴学にて、貴学のサーバにOSからShibboleth(IdP)までインストール・設定を行い、構築する方式です。(IdPv2の旧構築手順)
目次 maxLevel 2 minLevel 2 style none
アンカー idpInst1 idpInst1
1. Shibboleth IdP (version 3.2以降) の動作要件
以下は本技術ガイドで構築する前提となる環境です。
- メモリ2GB以上
Java実行環境への推奨割り当てメモリ量が1.5GBですので、その動作に支障がないようにしてください。 - Apache HTTP Server 2.4 以上 と mod_ssl
以下のパッケージはインストール方法も含めて以降の手順で説明します。
- Apache Tomcat 7 or 8
- 8.5はセッションのバグにより不安定になるという情報があります。
- JMXを初期化前に使うと動作がおかしくなります。
※いずれも以下のShibbolethのサイト「Apache Tomcat 8」が情報源です。
- Java 7 or 8
- GNU Javaは利用できません。 OracleのJavaもしくはOpenJDKを利用してください。
- IdPv2からの移行でかつ attribute-resolver.xml / attribute-filter.xml でスクリプトを使っている場合、引き続きJava 7(OpenJDK 7)の使用を推奨します。(ただしIdPv2でJava 8を使っていた場合、引き続きJava 8(Oracle JDK 8 / OpenJDK 8)を使用してください)
Java 7とJava 8でスクリプトの書き方に若干の違いがあります。(書き方の違いの例)
詳細(Shibboleth Wiki): ScriptedAttributeDefinition, ScriptConfiguration, ScriptDataConnector
v2版: IdPJava1.8, ResolverScriptAttributeDefinition, IdPFilterRequirementScript
(Shibboleth Wikiでは基本的にIdPv3のページでの説明はJava 8(Nashorn)がメインでJava 7(Rhino)も併記、v2版は特に断りがなければJava 7(Rhino)での表記となっています) - Java 8を使う場合エントロピー不足で起動が遅くなる場合があるという情報があります。jre/lib/security/java.securityやシステムプロパティ等で対処してください。
詳細(Shibboleth Wiki): Installation, Troubleshooting > Slow startup time - 現在本技術ガイドでは移行の問題を考慮して新規構築でもJava 7(OpenJDK 7)を用いておりますが、順次OpenJDK 8を用いるように更新していきます。
他の環境および最新の情報はShibbolethのサイトでご確認ください:
全体, Jetty 9.2, Jetty 9.3, Apache Tomcat 8
2. OSをインストールする
1. OSでの設定
・OS(CentOS 7)インストール
インストーラでインストールするもの。
Webサーバー (HTTPのみ)
OpenLDAP
その他のパッケージは必要に応じてインストールしてください。
ただし、Java開発とTomcat は後の手順で別にインストールします。
運用フェデレーション参加後に、ホスト名を変更する場合はいくつか考慮・解決すべき点があります。ホスト名は十分ご検討いただいた上で設定してください。詳しくは IdPのホスト名変更に関する注意点 をご参照ください。
※このテキストはSELinuxは無効化されているものとして書かれております。下記コマンドでSELinux設定を確認してください。
パネル | ||||||
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$ /usr/sbin/getenforce |
・ネットワーク設定
環境に合わせ、ホスト名・ネットワーク・セキュリティを設定して下さい。
2. DNSへ登録する
新しいホスト名とIPアドレスをDNSに登録してください。
3. 時刻同期を設定する
ntpサービスを用い、貴学環境のntpサーバと時刻同期をしてください。
※Shibbolethでは、通信するサーバ間の時刻のずれが約5分を越えるとエラーになります。
アンカー | ||||
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3. jdk 8、tomcat 7をインストールする
1. 古いtomcatの削除
tomcat 6以前のバージョンが入っている場合は、削除してください。
2. jdk のインストール
CentOS 7にはOpenJDKのパッケージが用意されていますので、これをyumにてインストールします。
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http://java.sun.com/javase/downloads/index.jsp にあります"Java SE 8u??"の項にある"JDK"の項より構築環境に合わせてダウンロードしたパッケージを適当なフォルダに置いて、以下のコマンドを実行してください(??は用意されているjdkのリビジョン番号にあわせて記述して下さい)。
上記のようにインストールした場合、パッケージ名は 加えて、再度上記URLから「Java Cryptography Extension (JCE) Unlimited Strength Jurisdiction Policy Files for JDK/JRE 8」にある |
3. tomcat 7のインストール
CentOS 7の場合、標準パッケージにTomcat 7があるため、yumにてインストールします。
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自動起動の設定
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/etc/sysconfig/tomcatを編集し、JAVA_OPTSを設定します。(以下、推奨値)
コード ブロック | ||
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#JAVA_OPTS="-Xminf0.1 -Xmaxf0.3" JAVA_OPTS="-server -Xmx1500m -XX:MaxPermSize=256m -XX:+UseG1GC " |
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CentOS 6の場合、標準パッケージにはTomcat 7がないため、Apache Software Foundationが配布するTomcatパッケージをダウンロードしてインストールします。
自動起動スクリプトを利用すると便利です。ZIPを解凍後にtomcat 7起動スクリプトファイルをコピーします。
自動起動の設定 (このオプション指定では マイナス ‘-’ が2つ必要です)
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# useradd -r -d /usr/java/tomcat -s /sbin/nologin -c "Tomcat daemon" tomcat |
ダウンロードした起動スクリプトを使用する場合は以下のように修正します。(
/etc/rc.d/init.d/tomcat7
)
情報 |
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もしTomcatが起動していれば、修正前にstopしてください。 |
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また、Tomcatのpidファイル及び保存されているディレクトリを ls -dl
等で所有者・パーミッションを確認の上、必要なら変更してください。
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4. profileの追加
/etc/profile.d/java-tomcat.sh
という新規ファイルを以下の内容で作成します。
注意 |
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下記のJAVA_HOMEは、OpenJDKを使ったパスとなります。 |
コード ブロック | ||
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# /etc/profile.d/java-tomcat.sh JAVA_HOME=/usr/lib/jvm/jre #export MANPATH=$MANPATH:/usr/java/default/man CATALINA_HOME=/usr/share/tomcat CATALINA_BASE=$CATALINA_HOME PATH=$JAVA_HOME/bin:$CATALINA_BASE/bin:$CATALINA_HOME/bin:$PATH export PATH JAVA_HOME CATALINA_HOME CATALINA_BASE |
展開 | |||||
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yumでインストールした場合と、rpmからインストールした場合では、ファイルの配置が違います。
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追加した環境変数を読み込みます。
パネル |
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5. httpd の設定
/etc/httpd/conf/httpd.conf の修正
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(省略) ServerName example-idp.nii.ac.jp:80 ←ホスト名 (省略) |
/etc/httpd/conf.d/ssl.conf の修正
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(省略) <VirtualHost _default_:443> (省略) ServerName example-idp.nii.ac.jp:443 ←ホスト名 ProxyPass /idp/ ajp://localhost:8009/idp/ ←追加 (省略) |
情報 | ||
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加えて、SSL 3.0プロトコルに対する攻撃が発見されておりますので、当該プロトコルを無効化することをお勧めします。⇒SSLバージョン3の脆弱性について (CVE-2014-3566)
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/etc/httpd/conf.d/virtualhost-localhost80.conf
を以下の内容で作成してください。これはShibboleth IdPが提供するreload-metadata.sh等のコマンドを使った操作を可能にするためのものです。
注意 |
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すでに同一のvirtual hostを別のところで定義している場合は、そちらに含めてください。また、すでに _default_:80 のVirtualHostが定義されている場合はその中の宣言が localhost:80 に適用されなくなりますので、必要であればその宣言をこのファイルにも含めてください。 _default_:80 が定義されているファイルに下記ProxyPassを含める方法もありますが、外部からの通常のアクセスがセキュアでない80番ポートに対しても行えることになりますので推奨しません。(もちろん、ファイアウォール等で適切に対処されていれば問題ありません) |
パネル |
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<VirtualHost localhost:80> ProxyPass /idp/ ajp://localhost:8009/idp/ </VirtualHost> |
6. server.xmlの修正
$CATALINA_BASE/conf/server.xmlを下記のように修正します。
他の用途で使用する予定がなければConnector port="8080"をコメントアウトしてください。
パネル | ||||||
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<!-- <Connector port="8080" protocol="HTTP/1.1" connectionTimeout="20000" redirectPort="8443" /> --> |
Connector port="8009"に以下のように追加してください。
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アンカー | ||||
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4. Shibbolethのインストール
各ファイル名等の指定は,Version 3.2.1に準拠しています。
1. Shibboleth IdP パッケージのダウンロード
http://www.shibboleth.net/downloads/identity-provider/latest/から最新版のIdP( shibboleth-identity-provider-3.?.?.zip )をダウンロードします。
情報 |
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ダウンロードしたファイルの真正性を確かめるにはPGP署名(ダウンロードURLに".asc"を追加したもの)を確認してください。 |
2. インストール
shibboleth-identity-provider-3.?.?.zip を適当なディレクトリに置いて、以下のコマンドを実行してください。
パネル | ||||||
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# unzip shibboleth-identity-provider-3.?.?.zip # cd shibboleth-identity-provider-3.?.? # ./bin/install.sh |
install.shシェルスクリプトを実行すると、以下のような問い合わせがあります。
手順に従って、進めてください。
注意 |
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インストール時に入力するパスワードを本運用で使う場合は、推測されにくいものを使用してください。 |
パネル | ||||||
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上記のような質問に答えながら、インストールを行います。
3. パーミッションの調整
Tomcatが”tomcat”ユーザで起動されるので、参照や書き込みが行えるようにディレクトリの所有者を変更します。
同様に、設定ファイルやメタデータの保存ディレクトリなどの所有者・パーミッションも変更します。
注意 |
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ここで設定したパーミッションをShibboleth IdPアップデート時に変更されないよう注意が必要です。詳細は IdPv3アップデートに関する情報 をご参照ください。 |
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# chown -R tomcat:tomcat /opt/shibboleth-idp/logs |
4. jakarta-taglibs-core.jar と jakarta-taglibs-standard.jar の配置
IdPの動作に必要なjstl.jar(jakarta-taglibs-core.jar と jakarta-taglibs-standard.jar)を配置します。
CentOS6の場合、jakarta-taglibs-standardパッケージに入っているので、 yum でインストールします。
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# yum install jakarta-taglibs-standard |
/usr/share/java 配下にインストールされているので、edit-webapp/
配下にシンボリックリンクを作成し、idp.warに含めます。
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# ln -s /usr/share/java/jakarta-taglibs-core.jar |
5. idp.war の登録
${CATALINA_BASE}/conf/Catalina/localhost/idp.xml
という新規ファイルを以下の内容で作成し、idp.warをTomcatが認識できるようにします。
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httpdの再起動とTomcatの起動を行います。(すでにTomcatが起動している場合はstopしてから行ってください)
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# systemctl restart httpd # systemctl start tomcat |
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Tomcatの起動後、${CATALINA_BASE}/logs/catalina.{日付}.log にエラーが出力されていない事を確認してください。
※catalina.{日付}.logにTomcat終了時(再起動時)のタイミングで以下のようなエラーが表示されることがありますが問題ありませんので無視してください。
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致命的: A web application appears to have started a TimerThread named [Timer-0] via the java.util.Timer API but has failed to stop it. To prevent a memory leak, the timer (and hence the associated thread) has been forcibly cancelled. |
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致命的: A web application created a ThreadLocal with key of type [null] (value [ch.qos.logback.core.UnsynchronizedAppenderBase$1@XXXXXXXX]) and a value of type [java.lang.Boolean] (value [false]) but failed to remove it when the web application was stopped. To prevent a memory leak, the ThreadLocal has been forcibly removed. |
展開 | ||
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catalina.{日付}.outではなく、catalina.outに出力されます。 |
アンカー idpInst5 idpInst5
5. サービスの起動・停止方法
サービス | 起動コマンド | 停止コマンド | 再起動コマンド |
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httpd | systemctl start httpd | systemctl stop httpd | systemctl restart httpd |
tomcat | systemctl start tomcat | systemctl stop tomcat | systemctl restart tomcat |
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